ドッグトリマーが言う!!大型犬で1番お手入れが必要ランキング5徹底解析

ドッグトリマーが言う!!大型犬で1番お手入れが必要ランキング5徹底解析

Mog wan
安心犬活

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なぜ大型犬のお手入れは重要なのか?

大型犬を飼う上で避けて通れないのが「お手入れ」です。小型犬と比べて体が大きい分、毛量が多く、皮膚や被毛、爪、耳、歯などのケアにかかる時間と労力も格段に増します。特に定期的なグルーミングやシャンプーを怠ると、皮膚疾患や毛玉、体臭の原因となり、犬の健康だけでなく飼い主の生活環境にも悪影響を与えかねません。

大型犬の特徴とお手入れの関係

大型犬は運動量が多く、屋外での活動も盛んです。そのため、泥や砂、枯れ葉などが被毛に付着しやすくなり、毎日のブラッシングや週ごとのシャンプーが欠かせません。また、ダブルコート(下毛と上毛の2層構造)を持つ犬種は特に換毛期になると大量の抜け毛が発生するため、換毛期対策も重要なお手入れ項目の一つです。

放置が招く健康リスク

被毛の絡まりや毛玉は通気性を悪化させ、皮膚炎や湿疹の原因になります。また、爪切りを怠ると歩行時の負担が増し、関節に悪影響を及ぼす場合もあります。耳掃除をサボれば外耳炎のリスクが高まり、歯磨き不足は歯周病へとつながるため、日常的なケアが必要不可欠です。

お手入れは健康管理の一環

お手入れは単なる美容のためではなく、愛犬の健康を守るための重要な習慣です。特に大型犬は病気が進行しやすいため、日頃から被毛・皮膚・爪・耳・歯などをチェックすることで、早期に異常を発見し、病気の予防や早期治療につなげることができます。

お手入れが特に大変な大型犬の特徴とは?

お手入れが特に大変な大型犬の特徴とは?

大型犬の中でも「お手入れが大変」とされる犬種には、いくつかの共通する特徴があります。これらの特徴を理解することで、どの犬種が特に手間がかかるかを見極める手助けになります。

被毛の構造が複雑

お手入れが大変な大型犬の多くは、長毛種あるいはダブルコートを持っています。ダブルコートとは、アンダーコート(下毛)とトップコート(上毛)が2層構造になっている被毛のことです。これにより保温性が高まり、寒冷地でも活動できますが、同時に毛が絡まりやすく、定期的なブラッシングを怠ると毛玉ができやすくなります。

特に、ゴールデン・レトリバーやシベリアン・ハスキーなどは、毛の量が多く、換毛期になると大量の抜け毛が発生します。こうした犬種は、週に数回のブラッシングに加え、シーズンごとのプロのトリミングが推奨されます。

皮脂分泌が多い犬種

ニューファンドランドやバーニーズ・マウンテン・ドッグのように皮脂の分泌が多い犬種は、定期的なシャンプーをしないと臭いや皮膚トラブルの原因になります。特に夏場は蒸れやすく、湿疹や外耳炎などのリスクが高まるため、丁寧な洗浄と乾燥が欠かせません。

垂れ耳・深いしわのある犬種

垂れ耳の犬種(例:ブラッドハウンド、セントバーナード)は耳の通気性が悪く、汚れや菌がたまりやすいため、耳掃除が重要です。また、顔や体にしわの多い犬種では、しわの間に汚れや湿気がたまりやすく、皮膚病を引き起こしやすい傾向があります。

サイズによる作業負担

単純に体が大きいというだけで、お手入れにかかる時間や道具のサイズ、シャンプーやリンスの消費量などが倍増します。全身を洗い流すにも時間がかかり、乾かすにも大型ドライヤーや強力な送風機が必要になるケースもあります。

お手入れが大変な大型犬ランキングTOP5

お手入れが大変な大型犬ランキングTOP5

ここからは、ドッグトリマーの現場目線で選んだ「お手入れが特に大変な大型犬種TOP5」をご紹介します。選定基準は「被毛の手間」「皮膚・耳のケア」「サイズによる負担」「病気の予防としての重要性」など、実際のグルーミング経験に基づいています。

第1位:ニューファンドランド

理由:被毛・皮脂・サイズ、すべてがケア対象になる難関犬種

ニューファンドランドは、全身を厚いダブルコートで覆われた超大型犬。水をはじくオイリーな被毛はシャンプーが難しく、すすぎや乾燥に非常に時間がかかります。さらに皮脂の分泌が多く、体臭や皮膚疾患が発生しやすいため、月に1〜2回のシャンプーと毎日のブラッシングが必須です。耳も垂れていて通気性が悪く、外耳炎リスクが高いため、耳掃除も重要なルーティンになります。

第2位:ゴールデン・レトリバー

理由:抜け毛と毛玉、皮膚トラブルが日常的に発生

愛され犬種として知られるゴールデン・レトリバーですが、トリマーからすると非常に手間がかかる存在。柔らかい長毛が抜けやすく、毛玉になりやすいため、週に数回の丁寧なブラッシングが必要です。皮膚が敏感な子も多く、湿疹やカビの予防のためにも、定期的なシャンプーとスキンケアが欠かせません。

第3位:バーニーズ・マウンテン・ドッグ

理由:厚い被毛と皮脂のケア、特に夏の対策が重要

ダブルコートで毛量が非常に多く、特に換毛期の抜け毛は圧巻。皮脂分泌も多いため、臭いや湿疹の原因になりやすい犬種です。バーニーズは寒冷地向きの犬種で、日本の高温多湿な気候とは相性が悪いため、夏場の通気性や清潔管理に特に注意が必要です。

第4位:アフガン・ハウンド

理由:美しさを保つにはプロ級の手入れが必須

長くて絹のような被毛は非常に繊細で、毎日のブラッシングを怠るとすぐに絡まり毛玉になります。ショードッグとしての美しさを保つには、週1回以上のシャンプーと丁寧な乾燥が必要で、乾かし方によっては毛がパサついたり縮れたりすることも。グルーミングの難易度は非常に高めです。

第5位:グレート・ピレニーズ

理由:大柄な体と超密集毛の組み合わせが大きな負担に

雪山で活動するために発達したダブルコートは非常に密で、水や汚れをはじきますが、その分シャンプーと乾燥に苦労します。さらに体が非常に大きく、1回のお手入れにかかる体力・時間・コストがすべて倍以上。抜け毛も多く、室内飼いでは掃除も頻繁になります。

犬種別!具体的なお手入れ方法と頻度

犬種別!具体的なお手入れ方法と頻度

ここでは、先に紹介したランキング上位5犬種に対して、どのようなお手入れをすれば良いのか、具体的な方法と推奨頻度を解説します。大型犬のグルーミングは「見た目」だけでなく「健康維持」にも直結するため、正しい手順を理解し、習慣化することが重要です。

ニューファンドランドのお手入れ方法

  • ブラッシング:毎日(最低でも週3回)。スリッカーブラシとピンブラシの併用が効果的。
  • シャンプー:月1〜2回。低刺激・高洗浄力のシャンプーを使用し、しっかりすすぎ・徹底乾燥。
  • 耳掃除:週1回以上。イヤークリーナーとコットンを使い、奥まで入れないように注意。
  • ポイント:湿気がこもりやすいため、ドライヤーは風量が強く熱の調整ができるものを使用。

ゴールデン・レトリバーのお手入れ方法

  • ブラッシング:週3〜4回。特にお尻やお腹、耳の後ろは毛玉ができやすいため重点的に。
  • シャンプー:月1回。皮膚が敏感な個体が多いため、保湿成分配合のシャンプーが推奨。
  • 耳掃除:月2回。外耳炎予防のため、湿気の多い季節は頻度を上げる。
  • ポイント:換毛期は掃除機とエアコンのフィルター清掃も欠かせない。

バーニーズ・マウンテン・ドッグのお手入れ方法

  • ブラッシング:週3回以上。アンダーコートが密集しているため、抜け毛の除去が重要。
  • シャンプー:月1回。皮脂対策としてマイルドな脱脂力のあるシャンプーが効果的。
  • 耳掃除:週1回。湿度が高くなる梅雨や夏場は週2回以上がおすすめ。
  • ポイント:ドライヤーでしっかり乾かすことで、皮膚トラブルの予防につながる。

アフガン・ハウンドのお手入れ方法

  • ブラッシング:毎日。コートの長さと質から、専用のスチールコームやスリッカーブラシを使用。
  • シャンプー:週1回。ドライングとブローが最重要。静電気防止の仕上げ剤も活用。
  • 耳掃除:週1回。毛に埋もれやすい耳元をしっかりチェック。
  • ポイント:お手入れには時間と技術が必要なため、プロトリマーの定期利用が推奨される。

グレート・ピレニーズのお手入れ方法

  • ブラッシング:週2〜3回。被毛が密なため、下毛を取り除く専用ブラシを活用。
  • シャンプー:1〜2か月に1回。被毛が乾きにくいので、ドライヤーの風力と時間を確保。
  • 耳掃除:月2回。耳の通気が悪くない構造だが、定期チェックは必要。
  • ポイント:体が大きく家庭でのシャンプーが難しい場合は、トリミングサロンの利用が現実的。

家庭でできる!お手入れ時短テクニックと便利グッズ

家庭でできる!お手入れ時短テクニックと便利グッズ

大型犬のお手入れは、時間も体力も消耗します。特に忙しい飼い主にとっては、効率的にケアするための「時短テクニック」と「便利グッズ」の活用が不可欠です。ここでは、実際にトリマーが推奨する家庭で取り入れやすい工夫を紹介します。

1. ブラッシングを短時間で終わらせるコツ

  • コートスプレーの活用:毛の滑りを良くするブラッシングスプレーを使えば、絡まりや静電気を抑えられ、時短に効果的。
  • ゾーン分けケア:一度に全身をやろうとせず、「今日は前脚」「明日は背中」とパーツを分けてケアすることで、犬のストレスも軽減。
  • 高性能ブラシの使用:スリッカーブラシやアンダーコート用の除毛ツール(ファーミネーターなど)は、手間と時間を大幅に削減可能。

2. シャンプー・ドライをスムーズにするテクニック

  • 吸水タオルと速乾マットの活用:マイクロファイバー素材のタオルや吸水性の高い速乾マットで水分をしっかり吸い取ることで、ドライヤー時間を短縮。
  • 強風ドライヤーの導入:人間用のドライヤーでは風量が足りないため、ペット用の送風力が高いドライヤーを使用することで、乾燥時間を半分以下にできることも。
  • 二人作業が理想:大型犬のシャンプーは一人だと困難なことが多いため、家族と協力して作業を分担すると効率が良くなる。

3. 耳掃除・爪切り・歯磨きを習慣化するコツ

  • ルーティン化する:毎週○曜日は耳掃除、月2回は爪切り、などとスケジュールに組み込むことで忘れにくくなる。
  • おやつでポジティブ連想:お手入れの後にご褒美をあげることで、犬が嫌がりにくくなる。
  • 便利グッズの利用
    • イヤークリーナー:ノズル付きで使いやすい製品が多く、初心者でも扱いやすい。
    • 自動爪トリマー:研磨式で削るタイプなら、出血のリスクが低く安全。
    • 指サック型歯ブラシ:口の中に入れやすく、犬も違和感を感じにくい。

4. 定期チェックシートを作る

お手入れの忘れ防止には、「チェックリスト」の活用が有効です。被毛・耳・歯・爪・皮膚などの状態を簡単に記録しておけば、動物病院での診察時にも役立ちます。

信頼できるトリミングサロンの選び方と活用術

信頼できるトリミングサロンの選び方と活用術

大型犬のお手入れを完璧に家庭でこなすのは、現実的に難しいこともあります。そんなときに頼りになるのがプロのトリマーが在籍するトリミングサロンです。ただし、大型犬の受け入れが難しいサロンもあるため、正しい選び方と活用方法を知っておくことが重要です。

1. 大型犬対応かどうかを最初に確認

トリミングサロンによっては、設備や人員の都合で大型犬の施術を受け付けていない場合があります。必ず以下を確認しましょう。

  • 大型犬に対応したバスタブやドライヤーがあるか
  • 担当トリマーが大型犬の扱いに慣れているか
  • 複数人でのサポート体制が整っているか

2. 衛生管理と安全性のチェックポイント

信頼できるサロンは衛生管理安全配慮を徹底しています。次のような点に注目しましょう。

  • 店内が清潔で臭いがこもっていない
  • 施術器具が都度消毒されている
  • 犬が滑らないよう床材に工夫がある
  • トリミング中の事故やけがに対する補償制度が明確

また、カウンセリングをしっかり行ってくれるかどうかも大切な判断基準です。

3. 利用頻度とサロンとの上手な付き合い方

利用頻度の目安は、以下の通りです。

  • シャンプー・ブロー:月1〜2回
  • カット(必要な犬種のみ):2か月に1回
  • 爪切り・耳掃除など:毎回の訪問時に一緒に対応可能

家庭でのケアと組み合わせて定期的にプロの手を借りることで、犬の健康維持と毛並みの美しさを両立できます。

4. 大型犬専門サロンや出張トリミングという選択肢も

地域によっては、大型犬専用または大型犬に特化したサービスを提供するサロンもあります。また、近年人気が高まっているのが出張トリミングサービスです。自宅で施術を受けられるため、移動のストレスが少なく、シニア犬にもおすすめです。

  • 出張トリミングは「車内設備型」または「自宅室内施術型」の2タイプ
  • 要予約制が基本。事前カウンセリングがしっかりしている業者を選ぶと安心

季節ごとに変わる!大型犬のお手入れポイント

季節ごとに変わる!大型犬のお手入れポイント

大型犬のお手入れは、1年を通じて同じ方法では不十分です。日本の四季によって気温・湿度・換毛の状況が変わるため、季節ごとのケアの最適化が必要です。この章では、春夏秋冬それぞれの特徴と、それに対応する具体的なお手入れ対策を解説します。

春:換毛期スタート、抜け毛対策を強化

  • 特徴:冬毛が抜け始め、毛の量が大幅に変化する時期。
  • 対策
    • 毎日のブラッシングで抜け毛をしっかり除去。
    • 換毛期専用のコームやファーミネーターを使用。
    • 部屋に舞う毛の対策として、空気清浄機や掃除頻度を見直す。

夏:熱中症と皮膚トラブルに注意

  • 特徴:高温多湿な気候により、蒸れやすく皮膚病が発生しやすい。
  • 対策
    • シャンプー頻度を増やす(2〜3週間に1回程度)。
    • ドライヤーで完全に乾かすことを徹底。湿気が残るとカビや皮膚炎の原因に。
    • 肉球の保湿や日焼け対策(アスファルトの熱によるやけど防止)も重要。
    • クーリングウェアや冷感マットの使用も検討。

秋:皮膚の乾燥と被毛の切り替わりに備える

  • 特徴:換毛期第2波。夏毛から冬毛への生え替わりが起こる。
  • 対策
    • ブラッシング頻度を上げ、毛のもつれや毛玉を予防。
    • 保湿成分入りのシャンプーで皮膚を守る。
    • 湿度が下がってくるため、加湿器などで室内環境を整えると良い。

冬:静電気対策と皮膚の保湿がポイント

  • 特徴:暖房による乾燥、静電気の発生が多くなる季節。
  • 対策
    • 静電気防止スプレーやオイル系のコート剤で毛のまとまりを保つ。
    • 湿度管理を徹底し、皮膚の乾燥を防ぐ。
    • 屋外で雪や泥に触れる機会が多いため、散歩後はこまめな足拭きとブラッシングが必要。

お手入れを通じて築く絆と飼い主の心得

お手入れを通じて築く絆と飼い主の心得

大型犬のお手入れは、時間も体力もかかる「大変な作業」と捉えられがちです。しかし、それは同時に、飼い主と愛犬の信頼関係を深める絶好の機会でもあります。この最終章では、お手入れがもたらす精神的なメリットと、飼い主として大切にしたい心構えをまとめます。

お手入れ=健康管理+コミュニケーション

日常的なお手入れは、ただ体をきれいにするだけでなく、体調の変化に気づく観察の場でもあります。皮膚の異常、しこり、傷、耳の臭い、口の中の状態など、細かなサインを見逃さないためには、日々の触れ合いが重要です。

また、ブラッシングや耳掃除などを通じて犬が「触られることに慣れる」ことで、動物病院やトリミングサロンでも落ち着いて過ごせるようになります。

飼い主の覚悟と習慣化がすべて

大型犬の飼育は、小型犬以上に責任と手間がかかるライフスタイルの一部です。そのため、お手入れを「面倒な作業」ではなく、「共に暮らすうえでの大切な時間」として捉えることが大切です。

習慣化するためには:

  • 決まった曜日・時間にルーティン化する
  • お手入れ前後に褒めたりご褒美を与える
  • 家族全員で役割を分担する

といった方法が効果的です。

プロとの連携も積極的に

すべてを自力で行う必要はありません。特に大型犬は、トリマーや獣医師と連携しながら「無理なく・適切に」ケアすることが、犬にとっても飼い主にとっても最善の選択です。困ったときは早めにプロに相談する体制を整えておきましょう。


まとめ

お手入れが特に大変な大型犬たちは、確かに手がかかる存在です。しかしその分、深い信頼と絆が育まれ、健康的で幸せな毎日を共に過ごすことができます。犬種ごとの特徴を理解し、季節やライフスタイルに合わせたケアを取り入れることで、愛犬との暮らしはもっと豊かになります。

大型犬との生活は、覚悟と愛情を持って向き合う価値あるものです。お手入れという日々の積み重ねが、その証となるでしょう。