コーギーとは

コーギーを飼い始める前に、まず知っておくべきなのが犬種としての基本的な特徴です。愛らしい見た目と元気な性格で人気のコーギーですが、その裏には特有の性質やケアが必要な点もあります。ここでは、「コーギーとはどんな犬か?」をしっかり理解しておきましょう。
コーギーはどんな犬種?
コーギーには大きく分けて「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類があります。日本で一般的に見かけるのはペンブロークです。短い足と長い胴体、丸みを帯びた耳と明るい表情が特徴的で、「胴長短足」の代名詞とも言える犬種です。
コーギーの性格は?
コーギーは非常に活発で知的好奇心が強い犬種です。もともと牧羊犬として活躍していた背景もあり、運動量は多く、日常的な運動や遊びが欠かせません。また、人間とのコミュニケーションが大好きで、家族に対して非常に忠実です。
ただし、頑固な一面もあり、しつけが甘いとわがままになってしまうことも。しっかりとしたルールと愛情をもって接することが重要です。
初心者が知っておきたい注意点
初心者にとって特に重要なのが、「コーギーは初心者向きの犬種ではない」という声もあるということ。これは、しつけや運動管理に手間がかかるためです。しかし、正しい知識を持ち、適切に対応すれば、非常に飼いやすく愛情深いパートナーとなります。
コーギーを迎える前に準備すべきものとは?

コーギーを自宅に迎える前には、事前の準備がとても重要です。環境を整えておくことで、コーギーにとっても飼い主にとってもスムーズなスタートを切ることができます。この章では、「コーギーを迎える前に揃えるべきアイテム」や「生活環境の整え方」について詳しく解説します。
必須アイテム一覧:まずはこれだけ揃えよう
コーギーの飼育に必要な基本アイテムは以下の通りです。
- ケージ・サークル:寝床や留守番時の安全なスペースとして必須。
- ペットシーツ:トイレトレーニング用に多めに準備。
- 食器(フードボウル・ウォーターボウル):安定性のある滑りにくいタイプが理想。
- ドッグフード:子犬用または成犬用の栄養バランスが整ったものを選ぶ。
- 首輪・リード:散歩デビュー前から慣らしておくとよい。
- ブラシ・爪切り:毛の手入れと健康管理の基本。
- おもちゃ:噛む欲求や遊びの時間に必要。
室内環境を整えるポイント
コーギーは活発な犬種なので、室内の安全対策も大切です。
- フローリング対策:滑りやすい床は関節に負担をかけるため、カーペットやマットを敷くと安心。
- 危険物の管理:コード類や誤飲しやすい小物は手の届かない場所へ。
- 静かな休憩スペース:安心して休める場所を用意することが、ストレス軽減につながります。
初心者がやりがちなミス
- 準備を後回しにする:犬を迎えてから慌てて準備をするのはNG。到着前にすべて整えておくのが理想です。
- なんとなくの選択:フードやケージなど、見た目や価格だけで選ばず、レビューや専門家の意見も参考に。
コーギーに最適な食事と与え方の基本

コーギーを健康に育てるうえで、正しい食事管理は非常に重要です。食事は単なる栄養補給ではなく、成長・体重管理・病気予防に大きな影響を与えます。この章では、コーギーに合ったフードの選び方や与え方のポイントについて詳しく解説します。
コーギーに適したドッグフードの選び方
コーギーは体型が胴長短足で関節に負担がかかりやすく、体重管理が非常に重要な犬種です。そのため、ドッグフード選びの際には以下の点を意識しましょう。
- 高たんぱく・低脂肪:筋肉を維持しつつ脂肪をコントロール。
- グルコサミン・コンドロイチン配合:関節サポート成分が含まれているもの。
- アレルゲン対策:穀物フリーや特定タンパク源のフードが有効な場合も。
食事の量と回数はどうすればいい?
年齢や体重に応じて食事の量と回数を調整する必要があります。
年齢 | 回数 | 注意点 |
---|---|---|
子犬期(〜6ヶ月) | 1日3〜4回 | 成長期なので栄養価重視、こまめに与える |
成犬期(1歳〜) | 1日2回 | 体重維持と栄養バランスを重視 |
シニア期(7歳〜) | 1日2回 | カロリー控えめ、消化に良いフードを選ぶ |
また、間食の与えすぎに注意が必要です。おやつはしつけのご褒美程度にとどめ、総摂取カロリーの10%以内に収めるのが理想です。
水分摂取も大事な健康管理の一部
コーギーは活発に動くぶん、水分補給も重要です。特に夏場や運動後はこまめな水分補給を促しましょう。清潔な水を常に用意しておくのが基本です。
コーギーのしつけと社会化の基本

元気いっぱいで賢いコーギーですが、しつけと社会化を怠ると、問題行動につながることもあります。この章では、コーギーとの信頼関係を築き、快適に共生するためのしつけ方法や社会化のポイントについて解説します。
なぜコーギーにしつけが必要なのか?
コーギーは元々牧羊犬として活躍していた犬種で、自立心と警戒心が強い傾向があります。そのため、しっかりとしたルールを設けないと、吠え癖・噛み癖・飛びつきなどの行動が出ることがあります。
また、コーギーはとても賢いため、飼い主の指示が一貫していないと混乱しやすいという特徴もあります。良い行動をしっかり褒めて強化する「正の強化トレーニング」を基本にするのがおすすめです。
初心者向けの基本的なしつけ内容
- 名前を呼ばれたら来る練習(呼び戻し)
- トイレトレーニング
- 「待て」「おすわり」「ふせ」などの基本指示
- 吠える行動への対応(無視と報酬のバランス)
- ハウストレーニング(留守番や落ち着く場所の習慣化)
これらは子犬のうちに始めるのが理想です。成犬になってからでも訓練は可能ですが、時間がかかることもあるため、焦らず根気よく取り組むことが大切です。
社会化期に大切なこと
生後3〜14週頃は「社会化期」と呼ばれ、人間や他の犬、音、環境に慣れさせる重要な時期です。この時期に以下のような経験を積ませると、成犬になってからも落ち着いた性格になりやすくなります。
- 他の犬と安全な環境で遊ばせる
- 家族以外の人と接触させる
- 自転車、掃除機、車など生活音に触れさせる
- 病院やトリミングなど外出にも慣れさせる
コーギーに必要な運動量と遊び方のコツ

コーギーは小柄な見た目とは裏腹に、非常に運動量の多い犬種です。元々は牧羊犬として活躍していた背景から、日々の運動不足がストレスや問題行動の原因になることもあります。この章では、コーギーに合った運動方法や遊び方、注意点について詳しく解説します。
コーギーにとって適切な運動量とは?
コーギーは1日に30〜60分程度の運動が理想的とされています。ただし、これは単に「散歩をすればいい」という意味ではなく、身体だけでなく頭も使うような運動が必要です。
年齢 | 運動時間 | 内容の例 |
---|---|---|
子犬期 | 10〜30分 | 遊び中心の軽い運動(走る・追いかける) |
成犬期 | 30〜60分 | 散歩+ボール遊び・頭を使う遊び |
シニア期 | 20〜40分 | 負担の少ない運動(ゆっくり散歩など) |
室内でもできるおすすめの遊び
- 知育トイを使った遊び:頭を使うことで疲労感が増し、満足感が得られる。
- 引っ張りっこ:筋力を使いつつ飼い主とのコミュニケーションにもなる。
- かくれんぼや宝探し:匂いを使う遊びは嗅覚を刺激し、飽きにくい。
外でのおすすめ運動
- フリスビーやボール遊び:コーギーの持久力と俊敏性を活かせる。
- ドッグラン:他の犬と遊ぶことで社会性も高められる。
- アップダウンの少ない散歩コース:関節に優しいルートを選ぼう。
注意点:やりすぎ・無理は禁物
短足のコーギーは、過度なジャンプや階段の上り下りが腰や膝に負担をかける恐れがあります。激しい運動は避け、定期的な運動を少しずつ続けることが重要です。
コーギーのお手入れと健康管理の基本

コーギーを健康に育てるためには、定期的なお手入れと体調管理が欠かせません。特にダブルコートの被毛を持つコーギーは、抜け毛が多く皮膚トラブルを起こしやすいため、日常のケアが非常に重要です。この章では、被毛、爪、耳、歯などのお手入れと、健康管理のポイントを紹介します。
コーギーの被毛ケア:ブラッシングが必須
コーギーはダブルコート(アンダーコート+トップコート)の犬種で、春と秋の換毛期には大量の抜け毛が発生します。
- ブラッシング頻度:週に2〜3回(換毛期は毎日が理想)
- 使う道具:スリッカーブラシ、ファーミネーター、コームなどを使い分け
- 効果:皮膚の通気性が良くなり、皮膚炎の予防にもつながる
爪切りと足裏のケア
- 爪切り:月1〜2回が目安。歩くとカチカチ音がするようなら要カット。
- 足裏の毛:滑りやすくなる原因なので、定期的にカット。
- 嫌がる場合は:おやつを使って少しずつ慣れさせましょう。
耳と歯のケアも忘れずに
- 耳掃除:週1回程度、専用クリーナーとコットンで優しく拭き取る。
- 歯磨き:週2〜3回以上が理想。歯磨きガムやジェルも併用可。
- 口臭や赤みがある場合は、獣医師に相談を。
定期的な健康チェックの重要性
- ワクチン接種やフィラリア予防:年齢に応じてスケジュールを管理。
- 定期健診:年に1回の健康診断で早期発見・早期治療を。
- 体重管理:月に1回は体重測定し、肥満予防を意識。
コーギーのかかりやすい病気と予防法

どんなに元気な犬でも、病気のリスクはゼロではありません。特にコーギーは特定の遺伝的傾向を持っているため、事前の知識と日常的な観察が大切です。この章では、コーギーに多い病気の種類とその予防法について、わかりやすく解説します。
コーギーがかかりやすい主な病気
1. 椎間板ヘルニア
胴長短足の体型は、背骨に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアのリスクが高いです。
- 症状:後ろ足の麻痺、歩行困難、痛みで鳴く
- 予防法:ジャンプや階段の上り下りを控える、床を滑りにくくする
2. 股関節形成不全
関節の変形によって歩行に支障が出る病気です。遺伝的要因が多く、若齢時から症状が出ることも。
- 予防法:肥満を防ぎ、成長期の栄養管理を徹底する
3. 進行性網膜萎縮(PRA)
視力が徐々に低下する遺伝性の目の病気です。コーギーも例外ではなく、定期的な目のチェックが重要です。
- 症状:夜盲症、ぶつかることが増える
- 予防法:遺伝子検査や定期検診
4. 肥満
活動量が少ないとすぐに太りやすく、他の病気の原因にもつながります。
- 予防法:フードの量を適切に、毎日の運動を欠かさない
健康維持のためにできること
- 定期健診を欠かさない:年に1回は血液検査・エコー・触診を行う
- ペット保険への加入:予期せぬ病気や手術にも安心
- 毎日の健康チェック:食欲、排便、行動パターンの変化を見逃さない
コーギーとの暮らしを長く楽しむために大切なこと

ここまでの記事を通じて、コーギーを飼う上での基本知識や注意点を学んでいただきました。最後の章では、「コーギーとの暮らしをより豊かにし、長く健康に過ごすための心構え」をお伝えします。可愛いパートナーと一緒に幸せな毎日を送るために、飼い主が意識すべきポイントをまとめます。
飼い主としての「責任」と「継続」
コーギーは、ただ可愛いだけの存在ではなく、生涯にわたってケアが必要な家族の一員です。食事・運動・しつけ・健康管理と、やるべきことは多岐にわたります。
- 毎日の健康状態に気を配る
- 季節ごとのケア(暑さ対策・寒さ対策)を忘れない
- 心のケア(ストレス対策・愛情の共有)も大切
「命を預かる」という自覚を持ち、日々のルーティンを継続していくことが信頼関係の基礎になります。
ライフステージごとの変化に寄り添う
犬にもライフステージがあります。子犬期から成犬期、やがてシニア期へと移る中で、必要とされるケアや接し方も変化します。
- 子犬期:学びと社会化の期間。しつけと遊びを重視。
- 成犬期:活動量がピークに。運動・食事管理が鍵。
- シニア期:健康維持と精神的な安定を優先。
それぞれの時期に応じた生活を提供することが、犬の寿命を延ばすだけでなく、質の高い暮らしにも直結します。
最後に:コーギーと築く「共に生きる暮らし」
コーギーはその愛らしさだけでなく、賢さと忠誠心、家族への深い愛情を持っています。その魅力を最大限に引き出すためには、日々の積み重ねと信頼関係の構築が不可欠です。
- 笑顔と共に過ごす時間を大切に
- 毎日のケアとコミュニケーションを欠かさずに
- 最後まで責任を持ち、愛情を注ぎ続ける